2024 年 121 巻 12 号 p. 957-963
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は現在,さまざまな癌腫において治療の中心的存在である一方で,ICIに特徴的な副作用である免疫関連有害事象(irAE)がしばしば治療継続の大きな障害となっている.ICIによる胆管炎(ICI-induced cholangitis)は発生頻度が0.05~0.7%と比較的まれな病態であるため,これまでの報告も症例報告が中心である.その臨床学的特徴は徐々に明らかになりつつあるものの,現時点で確立された診断法や治療マネジメントがなく,臨床上の問題となっている.本稿ではICI-induced cholangitisの現時点における概念,診断や治療法,また解決すべき課題について論じる.