日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
症例報告
無症状で発覚した柴苓湯による薬物性肝障害の1例
小山 創志奥本 和夫秋葉 昭多郎堀内 英和八戸 茂美
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キーワード: 薬物性肝障害, 柴苓湯, 黄芩
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2025 年 122 巻 3 号 p. 216-220

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抄録

症例は59歳女性.めまい症に対して柴苓湯が処方された.症状を認めなかったが,5カ月後に行われた採血検査で肝機能障害を指摘されて当院紹介,入院となった.休薬により速やかに改善し,肝生検検査でも薬物性肝障害に矛盾せず,薬剤誘発性リンパ球刺激試験陽性であった.近年,漢方薬による肝障害は増加傾向でありその多くが黄芩を含んでいる.黄芩を含む漢方薬は肝障害の危険があり,症状がなくとも定期的な採血検査が必要である.

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