抄録
「クロロホルム」、四塩化炭素等ノ肝臟實質毒ニ依ルヨリハ、比較的肝臟障碍程度ノ低キ場合、尚又肝臟障碍後種々ナル經過時期ニ於ケル「ロダン」形成状況ヲ觀察スル目的ヲ以テ、「アウトヘパトトキシン」及ビ「ヘテロヘパトトキシン」ニテ處置セル家兎ニ、一定量ノ「アセトニトリル」ヲ負荷セルニ、何レモ血中「ロダン」形成ノ對照ニ比シ、低下スルヲ認メタリ。
然モ「ヘテロヘパトトキシン」ニ依リテ惹起セラルル「ロダン」生成能ノ障碍程度ハ、該「トキシン」投與量ト一定ノ關係ヲ有シ、連續投與ニヨル障碍ガ、一回投與ニ比シ強度ナルヲ確認セリ。而シテ此等兩「トキシン」ニヨル「ロダン」形成ノ障碍程度ハ、マタ該「トキシン」適用後ノ經過日數ニヨリテ、一定ノ相違アル事ヲ實證セリ。即チ一般ニ「ヘパトトキシン」ニ依リテ最モ肝臟ニ強キ變化ノ現ハルル、術後 (投與後) 一-二週後ニ於テ、ソノ度最モ強ク、既ニ肝臟ニ於ケル障碍的變化ノ消退スルト見ラルル、二-三週後ニ於テハ、恢復スルヲ認メ得タリ。
