實驗消化器病學
Online ISSN : 2185-1166
ISSN-L : 2185-1166
肝臟ノ色素排泄機能ノ亢進状態ニ關スル知見補遺
第四篇「レチヽン」ノ肝臟色素排泄機能亢進作用機序ニ關スル吟味
櫻井 三郎
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1938 年 13 巻 5 号 p. 708-713

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抄録
既ニ「レチヽン」ノ肝臟色素排泄機能ノ亢進的要約タルヲ確認セル余ハ、進ンデ「レチヽン」ノカ、ル肝臟色素排泄機能亢進ノ由來ヲ、肝臟ノミヨリ排出セラルヽ色素ニヨリ、更ニ吟味検索セントシテ、ソノ構成分子タル「ヒヨリン」及ビ「グリセロ」燐酸ノ正常家兎肝臟色素排泄機能ニ及ボス影響ヲ觀察セリ。而シテ「ヒヨリン」及ビ「グリセロ」燐酸トシテハ、塩化「ヒヨリン」及ビ「グリセロ」燐酸曹達ヲ用ヒ、各々使用セシ「レチヽン」量ノ内ニ含有セラル、ソノ計算量ヲ使用セリ。ソノ結果、塩化「ヒヨリン」投與ノ場合ニアリテハ、一定時間内色素總排出量ハソノ對照ニ比シ著明ニ増加シ、初發時間並ニ色素ノ最高濃度ニ達スル時間モ明カニ短縮セラル、ヲ認ム。即チ「ヒヨリン」投輿ノ場合ニ於テハ、肝臟ノ色素排泄機能ハ著シク亢進セシメラレ、「レチ、ン」ト同方向ヘノ變化ヲ認メ得タリ。但シ「グリセロ」燐酸曹達ノ場合ニ於テハ、僅カニソノ傾向ヲ示スニ過ギザリキ。以上是等ノ成績ニ依リ、「レチヽン」ガ體内ニ於テ一部分解サルヽトセバ、ソレニヨリテ生ジタル「ヒヨリン」モ亦ソノ作用ヲ増強シ得ルモノナルコトヲ知レリ。
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