日本惑星科学会誌遊星人
Online ISSN : 2423-897X
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特集「月揮発性成分の研究による科学と探査」
水氷の資源利用可能性評価を目的とする月極域探査の紹介
大竹 真紀子星野 健井上 博夏唐牛 譲白石 浩章金森 洋史月極域探査ミッション定義チーム
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2019 年 28 巻 1 号 p. 53-62

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抄録

本論文ではJAXAで現在検討中の,月極域探査の概要と検討状況を紹介する.これまでの月探査の成果から,月の85度以南,以北の高緯度地域には,水が氷の状態で存在していることが示唆される.ただし,いずれの観測も間接的であったり局所的であったり,観測データの信頼性に疑問が呈されているなど,水氷の存在について,確定的な情報が得られているわけではない.そこで本探査では,月極域に着陸し,ローバによる周辺地域の探査でその場観測を行うことによって,水氷が本当に存在するのかどうか,また存在する場合に資源として将来の探査に利用可能なのかどうか,を判断するための観測データを取得することを目的とする.現在はインド宇宙局との協働での実施を検討しており,近くミッション定義審査(Mission Definition Review: MDR)を行う予定.

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© 2019 日本惑星科学会
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