日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
膵炎における Phospholipase Aに関する研究
第2報 血清 Phospholipase Aの意義について
橋平 成章
著者情報
ジャーナル フリー

1975 年 72 巻 1 号 p. 1-11

詳細
抄録

薄層クロマトグラフイーを用いて, 急性膵炎, 慢性膵炎を中心に, 血清 phospholipase A (PLA) を測定した. 健常者の血清値は正規分布をとり, 男女間に有意差を認めなかつた. 急性膵炎において, 血清PLA, amylase はいづれも著明な高値を示し, 病状の改善とともに減少した. しかし, PLA値は amylase に比べて病状の推移とよく一致した. 慢性再発性膵炎では, 血清PLAと腹痛の間に相関を示したが, 血清 amylase と腹痛の間には関連性を認めなかつた. 膵炎にて, 血清PLAと amylase 値の有意な正相関を示した. 以上の結果より, 血清PLAは急性膵病変に対する検査として, 有用なものと結論する.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
次の記事
feedback
Top