日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
胃非上皮性腫瘍の診断と治療に関する研究 (第一報) 胃肉腫の臨床症状
高瀬 靖広宮川 晋爾早川 国彦鈴木 茂鈴木 博孝榊原 宣遠藤 光夫市岡 四象竹本 忠良
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キーワード: 胃肉腫の臨床症状
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1975 年 72 巻 12 号 p. 1556-1562

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抄録

原発性胃肉腫は胃癌に比し発生頻度が少いことが知られており, 臨床像についても不明の点が残されている. そこで, 胃肉腫27例 (筋原性胃肉腫13例, リンパ細網内皮性胃肉腫14例) について臨床症状を中心に検索した. 病悩期間は平均6.6カ月で, 初発症状は心窩部痛がもつとも多く, ついで膨満感であつた. 入院時症状は, 筋原性胃肉腫ではるいそう (53%) がもつとも多く, リンパ細網内皮性胃肉腫では心窩部痛 (59%) が高率である. 又, 顕出血は症例の約1/4にみられ, 全体に下血の方が吐血より多い.
他覚的所見としては, 胃肉腫全体として発熱 (56%), 腫瘤触知(41%), 圧痛 (22%) となつている.

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