日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ヒト胃粘膜内immunoreactive somatostatin含量に関する研究
胃内分布および消化性潰瘍症例における検討
山田 直行福地 創太郎澤野 眞二
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1980 年 77 巻 8 号 p. 1234-1241

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抄録

ヒト切除胃および生検材料について粘膜内immunoreactive somatostatin (IRS)含量をradioimmunoassay(RIA)法によつて測定した.切除胃標本における粘膜内IRS含量と粘膜内immunoreactive gastrin (IRG)含最の分布を比較検討した結果,IRGは幽門洞および十二指腸球部に分布し,胃体部では微量を検出するに過ぎないが,IRSは幽門洞,十二指腸球部のみならず胃体部に至るまで広く分布していた.また,切除胃の幽門洞で近接した部位における粘膜内IRS含量とIRG含量との間には一定の相関はなかつた.生検材料における幽門洞粘膜内IRS含量には著しい個人差があるが,十二指腸潰瘍では胃潰瘍と比較して高値を示す傾向が認められた.

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