日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
膵臓の computed tomography と体型, 年齢に関する研究
勝又 一夫勝又 義直中川 武夫佐久間 貞行
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キーワード: 膵臓CT像, 体型, 年齢, 肥満
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1984 年 81 巻 12 号 p. 2992-2995

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抄録

膵臓の computed tomography 像を詳細に観察すると外縁, 内容について, それぞれ以下の3型に分類できることがわかつた. I型: smooth なもの, II型: 小顆粒を呈するもの, III型: 大顆粒を呈するもの. そして同一の膵臓でみると, 多くは外縁, 内容の型が一致していた. このうち内容のIII型では高い density を示す部位が低い density にとり囲まれている像を示した. この低い density を示す部位のCT値(-80前後)は脂肪組織のそれと一致するのでこの型の膵臓は脂肪に富んでいると推定される. 肝硬変, 胆石, 膵炎, 悪性腫瘍, 糖尿病のない406名の膵臓のCT像を上述の分類と体型, 年齢との関連で検討すると, やせ型では外縁, 内容ともIII型が少なく, 肥満者では逆に著明に多いことが明らかになつた. また肥満者では39歳以下で外縁のIII型が最も多く, 40歳以上になると逆に減少した. このように膵臓CT像の分類が体型, 年齢と関連する事実を明らかにし, その意議について述べた.

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