1985 年 82 巻 7 号 p. 1724-1730
非手術的胆道内瘻法である経皮経肝胆道エンドプロテーゼ, percutaneous transhepatic biliary endoprosthesis, PTBEを安全, かつ確実に行う手技と用具を開発し, 本法を行つて治療した閉塞性黄疸60例を対象にその成績を検討した. PTCDで治療した閉塞性黄疸214例を対照とした. PTBEはPTCDに比較して減黄効果, および全身状態の改善効果がすぐれ, ドレナージ中断頻度を低下させる. また, PTBEにより悪性閉塞性黄疸切除不能例の家庭復帰率, および累積生存率が著しく改善される. PTBEの晩期合併症ではエンドプロテーゼの内腔閉塞による黄疸再発があり, 今後解決されるべき課題である.