日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
B型慢性肝炎の病態における肝細胞内HBc抗原の意義
インターフェロン療法との関連も含めて
日野 啓輔
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1988 年 85 巻 10 号 p. 2225-2231

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抄録

B型慢性肝炎の病態における肝細胞内のHBc抗原の意義を検討するため, HBs抗原陽性慢性肝炎69例の肝生検標本について免疫組織学的にHBc抗原を検索し, 血中HBVマーカー (HBe抗原, DNA-P, HBV-DNA, preS2抗原) ならびに組織学的活動性と比較検討した. HBc抗原量は血中HBVマーカー値と相関関係を示し, HBc抗原の量的分布は細胞質優位を示す症例の方が組織学的活動性が強かつた. また, IFN投与後1年以上の経過観察が可能であつたHBe抗原陽性慢性肝炎27例について, 肝内HBc抗原の量, およびその量的分布様式からIFN療法に対する効果を検討したところ, HBc抗原が細胞質優位の量的分布を示す症例に有効例が多かつた.

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