日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
脱血•再輸血ラットにおける胃粘膜内SOD活性の動態
岩井 彰伊藤 誠横山 善文安江 直二今井 新平城 卓志松佐古 敬遠藤 一夫川合 孝松葉 周三加藤 直也武内 俊彦
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1990 年 87 巻 9 号 p. 1809-1814

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抄録

フリーラジカルによつて惹起される胃粘膜の虚血•再灌流傷害は superoxide dismutase (SOD) の外来性投与によつて抑制されることが証明されている. しかし, 虚血胃粘膜における内因性SODの動態は不明で, 本研究ではラットに脱血虚血のみを与えた群と虚血後脱血血液を再輸血した群で胃粘膜内SOD活性を測定した. 両群の胃体部, 前庭部粘膜内SOD活性はいずれも対照群に比して有意に増加した. しかし, この増加は xanthine oxidase 阻害剤の allopurinol の前投与で抑制された. 以上より, 胃粘膜内SOD活性はフリーラジカル産生にともない増加すると考えられた. また, フリーラジカルは虚血期にも産生されうると推測された.

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