1998 年 95 巻 5 号 p. 407-411
肝内結石症は稀な疾患であるが,しばしば再発・再燃を繰り返すためその治療には非常に難渋する難治性の疾患である.本症の成因には細菌感染をともなった胆汁鬱滞が深く関与していると考えられ,従来我々は結石の除去と胆汁鬱滞の解除を目的として,主に肝切除術や拡大胆管切開切石術を行いそれに胆汁欝滞解除を目的とした付加手術を行ってきた.しかし近年は内視鏡的切石術に代表される非手術的な治療法も重要な位置を占めるようになってきており,今後はそれぞれの病態に応じてこれらの治療法を組み合わせ,集約的に治療を進めていくことが重要であると考える.