日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
放射線性腸炎との鑑別が困難であった回腸結核穿孔の1例
森脇 義弘望月 康久菊池 光伸神谷 紀之小澤 幸弘杉山 貢岩田 誠一郎
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2000 年 97 巻 11 号 p. 1391-1394

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抄録

症例は,80歳,女性.主訴は腹痛,嘔吐.肺結核,子宮頸癌で広汎子宮全摘+骨盤部放射線照射の既往あり.食欲不振,下痢,浮腫出現し近医へ入院,腹腔内遊離ガス像を認めたため当センターへ紹介搬送され,緊急手術を施行した.術中は,大腸に病変はなかったが回腸に不整な多発狭窄を認め,放射線性腸炎として狭窄部回腸を切除した.術後の病理検索で腸結核穿孔と診断された.術後急性腎不全を併発し,抗結核療法は行えず,第3病日死亡した.

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