脳血管内治療
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総説
骨内静脈路の観点からみたAnterior CondylarArteriovenous Fistula の病態について
水谷 克洋秋山 武紀吉田 一成
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 5 巻 1 号 p. 56-64

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抄録

Anterior condylar arteriovenous fistula(AVF)は舌下神経管周囲に形成される比較的稀なdural arteriovenous fistula(DAVF)の一型であり,一般的には舌下神経管内のanterior condylar vein にAVF が形成されると考えられてきた.最近の研究で,舌下神経管の周囲にはanterior condylar vein 以外にも豊富な骨内静脈路が存在していることが明らかとなった.また,改めて詳細にAVF のshunted venous pouch の位置を検討すると,骨内にshunted venous pouch が存在しているような症例が一定数以上あることがわかり,anterior condylar AVF はanterior condylar vein やその付近の骨内静脈路に形成される一群のAVF であることが明らかとなった.このAVF は通常の硬膜に形成されるDAVF と同様に,骨内静脈路の血栓化などが原因となって二次的に形成されると考えられる.本稿で述べる骨内静脈路の解剖やanterior condylar AVF の病態はこの疾患を理解するうえで非常に重要である.

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© 2020 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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