2021 年 6 巻 4 号 p. 196-202
【目的】硬膜動静脈瘻の経静脈的塞栓術において,閉塞静脈洞を安全に経由するために,MRI による閉塞静脈洞の術前評価が有効であった 2 例を報告する.【症例】どちらの症例も左横静脈洞から S 状静脈洞部の isolated sinus となった硬膜動静脈瘻である.Phase contrast MRA(PC MRA)では左横静脈洞,S 状静脈洞ともに描出が認められなかったが,造影 3D variable refocusing flip angle turbo spin echo (3D VRFA TSE) T1ならびに造影 3D gradient echo (3D GRE) T1 では閉塞している左横静脈洞の描出が認められたため,対側からのアプローチが可能であった.【結論】様々な sequence の MRI が閉塞静脈洞への安全なアプローチに有効であった.