2023 年 8 巻 3 号 p. 110-117
【目的】The stent anchor with mobile aspiration techniqueにより治療した,急性期脳静脈洞血栓症の1例を報告する.【症例】患者は52歳男性で,頭痛,全身倦怠感を主訴に来院した.頭部CTより右頭頂葉の脳出血および右側頭葉の出血性梗塞を伴う脳静脈洞血栓症と診断した.ヘパリンの投与を開始したが意識障害が進行し,the stent anchor with mobile aspiration techniqueを用いた機械的血栓回収術を施行した.多量の血栓を吸引し,血行再建が達成され,良好な経過が得られた.【結論】広範囲な脳静脈洞血栓症に対するthe stent anchor with mobile aspiration techniqueは,有用な治療方法のひとつであると考えられた.