日本農村医学会学術総会抄録集
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第56回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2F104
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一般演題
通所介護におけるシステムの構築と連携
土屋 匡
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抄録

JA佐久浅間農業協同組合では、通所介護施設におけるリハビリテーションの必要性が高まったことから理学療法士の出向という形で小諸厚生総合病院に委託しました。JA佐久浅間農協協同組合は浅間山麓に位置する人口約10万人の佐久市と人口約4万5千人の小諸市の広域を担当している組合です。更に、福祉分野にも力をそそいでおり通所介護施設では、佐久市に3施設、小諸市に1施設、また宅老所を2施設運営し、約300件以上の利用者が利用しています。 今回、主に通所介護施設における機能訓練体制の導入と位置づけについて取り組むことができたので報告します。 出向期間は2005年4月から2007年3月の2年間で機能訓練体制加算に対する取り組みと、翌年2006年4月の介護保険改定からは個別機能訓練加算および介護予防(運動器の機能向上)等に取り組みました。 主な取り組みは以下に示すと通りです。 1.機能訓練評価表を作成し利用者の機能状態と日常生活動作の把握のために全数評価を行いました。 2.通所介護における機能訓練の位置づけと意味を裏付けるため、職員や利用者に対するリハビリテーションの理解と啓蒙を行いました。 3.各職種との連携と情報の共有を図るため各施設の組織体制の把握 4.専門性を活かした機能訓練と日常生活指導の両立 5.パソコンによる作成書類の一括作成を行うことで合理化を図りました。  近年、通所介護施設も高齢化、重症化しており日常生活に何らかの支障をきたす利用者が年々多くなって来ています。リハビリテーションに於いても専門的知識を活かし、より在宅を視野に入れた包括的な機能訓練を行わなければなりません。それには医学的リハビリテーションだけでなく、広い視野をもった総合リハビリテーションの必要性が感じられます。今後、総合リハビリテーションを行うに当たり、他職種との連携と地域社会との連携がより重要と考えます。

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© 2007 一般社団法人 日本農村医学会
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