日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: P1-A103
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乳幼児を持つ家族の乳幼児突然死症候群に対する意識調査
~小児科看護師の立場から今後の課題を探る~
川越 陽子大屋敷 祐子木村 幸子北嶋 喜代子
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抄録

〈緒言〉
乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome
以下SIDS)は,原因が未解明の疾患である。当院
は地域小児救急の中核としてSIDS の症例に関わる機会が
あり,当地域のSIDS の認知度と小児科看護師として
SIDS を減らす為にどうすればいいかを探った。

〈方法〉
方法:調査研究(質問紙を用いた聞き取り調査)。
対象:当院小児科を受診する生後1歳未満の乳幼児を持
つ家族100名。
アンケート回収率,有効回答率100%。
調査期間:平成20年8月12日~9月25日。
調査内容:
1 対象の背景(児との続柄,子供の数,世帯状況(核
家族・非核家族),母以外の養育者の有無)
2 SIDS という用語を知っているか
3 SIDS という用語を知った媒体(認知媒体)
4 SIDS 発症のリスク因子(リスク因子)を知っているか
5 リスク因子に対する対処行動(対処行動)の有無

分析方法
リスク因子の理解と認知媒体との関係をFisher の
直接確率計算法にて検定。他は回答割合を百分率で分
析した。

〈結論〉SIDS の認知度は94%と高かった。認知媒体とし
て本・新聞,母子手帳,ポスターの順に多く医療者は
8.5%と少数。家族・その他のみの人はリスク因子の理解
が低かった。リスク因子はうつぶせ寝,両親の喫煙が広く
知られ対処行動も多くの人が行っていたが,その他のリス
ク因子の理解度はあまり高くなく,対処行動もあまり行わ
れていなかった。リスク因子を理解せずに対処行動を実行
している人や理解しているが実行していない人もいた。看
護師は受診や入院をきっかけに育児環境をアセスメントす
る機会も多く個別に家族に対し積極的に啓発していく必要
がある。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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