日本農村医学会学術総会抄録集
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第58回日本農村医学会学術総会
セッションID: P2-D401
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当院における医療安全の取り組み
-CLIPシステムを使用して-
田畑 雅央今田 文子佐藤 千鶴子佐藤 一成平山 克田島 英明
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抄録

〈はじめに〉私たちの看護部では目標管理様式として2008
年度からBSC(バランススコアカード)を導入した。看
護部BSC をブレークダウンする形で主任会BSC を策定
し,実施目標を達成するために複数のプロジェクトを立ち
上げ活動した。私たちメンバーは「地域公開講座の充実」
を担当し,BSC による組織全体のビジョン・戦略目標を
共有化する中で,目標値を達成することができたので報告
する。
〈結果〉看護部のビジョンは「地域住民に愛され,信頼さ
れ,選ばれる病院を目指す」であり,私たちのプロジェク
トに関連するBSC を以下のようにブレークダウンし(表
1参照),活動した。
 まず地域の住民が何を知りたいのかを把握した上で公開
講座を開催したいと考え,病院文化祭でポスターセッショ
ンを行った。参加者は39名で,アンケート結果から公開講
座希望内容を絞り込み,テーマを「認知症高齢者へのかか
わり方のこつと上手な社会資源の使い方」に決定した。そ
して院内および地域情報誌に案内を掲載した。平成21年1
月24日,伊勢原協同病院会議室において看護師,ソーシャ
ルワーカーを講師に参加者23名で開催することができ,目
標を達成した。
〈考察〉講座終了後のアンケート結果を見ると,参加者そ
れぞれが問題解決の糸口を見つけたようであり数値目標に
は表れない成果も得られた。プロジェクトとして,主任会
として,看護部全体のビジョン・戦略目標の達成に向けて
活動を展開することによって,主任会主催の公開講座を初
めて開催することができ,しかも大変有意義なものとする
ことができた。「選ばれる病院」を目指すためには,公開
講座の開催とそのテーマ選定を含めて,地域住民のニー
ズ・ウォンツを把握するための仕掛けや工夫が必要である
ことがよくわかった。

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© 2009 一般社団法人 日本農村医学会
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