抄録
はじめに
心房細動は外来で多く経験する不整脈のひとつである。特に高齢化している地域における心房細動の罹患率は決して低くなく、茨城県南地域も例外ではない。心房細動の治療において心原性脳梗塞、頻拍発作に伴う心不全を含めた合併症を予防することは重要であり、抗凝固療法、レートコントロールに加え、洞調律維持は重要な役割を果たしていると思われる。現在カテーテルアブレーション治療は薬物治療に抵抗性の発作性心房細動に対して広く行われるようになってきたが、従来より当施設では持続性心房細動に対するカテーテルアブレーションも積極的に行ってきた。当施設ではカテーテルアブレーションが心房細動治療の第一選択となるべく研鑽を重ねており、その現状と成績を検討する。
当施設でのカテーテルアブレーション治療の現状
当院におけるカテーテルアブレーション治療は累計5000例を超え、年間700例を超える症例の治療に従事している。現在の症例の70%以上は心房細動、心房粗動に対するカテーテルアブレーションである。当施設で開発した拡大肺静脈隔離術は高い安全性と治癒率を挙げており、発作性心房細動の治療に広く応用されている。また持続性心房細動に対しては左房に対する心房細動基質修飾術を加え更なる成績の向上を目指している。
まとめ
高齢化社会において心房細動は多くみられる不整脈であり、発作性、持続性心房細動に対するカテーテルアブレーション治療は有効な治療手段のひとつである。