日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: P1-B4-8
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人間ドック・健康診断受診者へのeーGFRによる腎機能の評価
木村 裕恵松下 次用吉田 正樹野坂 博行山瀬 裕彦川島 司郎平石 孝
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抄録

(はじめに)血清クレアチニン(Cre)は性・年齢による影響をうけるため正確に 腎機能を反映しないとされる。このため日本腎臓病学会から腎機能の評価にe―GFRを用いることが提唱されている。そこで、今回、本院のドック・健診受診者の腎機能をe-GFRで評価し、その有用性について検討したので報告する。 (対象・方法)対象は平成21年3月~7月までの受診者、男219名、女350名(計569名)である。改訂MDRD簡易式により血清Creからe-GFRを算出し、性・年代別に集計し、有用性を評価した。 (結果)男性のCre平均値は0.82±0.11、女性は0.58±0.08(基準値:男0.5~1.0・女0.2~0.8)であった。男性の年代別のe-GFR平均値は、20代97.1±15.9、30代94.8±10.0、40代82.8±9.1、50代82.1±12.8、60代76.9±13.2、70代↑75.5±12.8。女性の20代104.8±18.0、30代96.3±15.6、40代87.1±13.9、50代83.0±11.8、60代80.9±15.1、70代↑74.8±17.9であった。日本腎臓病学会のCKDステージ分類ではステージ_II_(e-GFR60~89)をGFR軽度低下としている。e-GFRの結果からするとステージ_II_は、男性131名(59.8%)、女性164名(46.8%)。ステージ_III_は男性16名(7.3%)、女性14名(4.0%)であった。 (まとめ)腎機能の指標としてe-GFRは血清クレアチニンよりは鋭敏とみなされるが女性高齢者では体表面積で補正したe-GFRで評価すべきと考えられた。  

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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