日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: P1-C2-1
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糖尿病外来患者の栄養指導についての現状把握への取り組み
小林 千鶴高橋 春奈杉田 恵竹田 悦子蛇沼 俊枝加藤 英代塩田 春美江田 美幸三品 君枝梶 由依子
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キーワード: 栄養指導, 管理栄養士
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抄録

目的:当院では、栄養指導室を診察室の隣室に2か所設け、診察日に栄養指導を行うことで、診察までの待ち時間を効率的に利用し実施している。栄養指導は1ヶ月に約250件行っており、より効果的でニーズにあった栄養指導方法の検討を目的としてアンケートを実施したので報告する。
方法:継続的に栄養指導を受けている患者で、2008年12月の1ヶ月間に指導を行った患者(男性110名、女性120名)を対象とした。内容は、_I_栄養指導の待ち時間、_II_指導の間隔、_III_指導形式、_IV_食事体験教室への参加、_V_指導効果についてアンケートを行った。
結果:_I_待ち時間30分以内が75%で「適当」と回答した。_II_次回指導までの間隔は、検査値や指導効果により医師と管理栄養士と患者で決めており平均3~4カ月であるが、86%が「適当」と回答した。_III_集団指導と個人指導のどちらを希望するかは、55%が「個人指導を希望」と回答した。_IV_食事体験教室は、「参加したい」が33%であった。_V_指導効果は86%で指導後に実行していた。
考察:栄養指導の待ち時間や次回指導までの間隔については75%以上が適当となり、患者自身も診察までの待ち時間を有効に利用できているためと考えられた。個人指導希望者は、個人にあわせた目標の提案で安心感や満足度に繋がっていると示唆されたが、「他の人の工夫を知りたい」という意見もあった。その為、患者が参加してみたいと思えるような食事教室の開催など患者同士でコミュニケーションがとれる場の提供も必要であると考えられる。また、栄養指導後に多くの患者に行動変容が起きているが、指導内容にマンネリ感があるなど継続した栄養指導を希望しない声も聞かれた。今後はさまざまな視点から患者が実行・継続できる目標設定をすることや、適切な資料を用いることで魅力的な栄養指導を行い、患者にあわせたQOL向上の支援を行っていきたいと考える。

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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