日本農村医学会学術総会抄録集
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第59回日本農村医学会学術総会
セッションID: P2-B3-2
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骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折患者への指導内容と指導困難内容
鈴木 佐紀子中村 美和四車 悠花
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抄録

〔はじめに〕現在A病院では、脊椎圧迫骨折の手順書はあるが、患者指導は看護師個々の力量に委ねられている為患者指導がされないままADL拡大が本人任せ・理学療法士任せになっている。そこで本疾患に対する患者指導内容、指導困難内容を明らかにした。 〔考察〕脊椎圧迫骨折患者に関わったことのある看護師は病院全体の多くの看護師が受持ちまたは日々の受持ちとして関わっていたが、関わった全ての看護師が患者指導をしていないことが明らかになった。指導内容は、コルセットの装着中の注意点が最も多かった。指導困難内容では、経験不足が一番多い理由であり脊椎圧迫骨折患者の入院が全病棟に渡ることも含め、経験不足を補うための患者指導の支援の体制を整える必要があることを示唆していることが考えられた。今後の指導の可能性としてパンフレットがあればできるが一番多く挙がったことからも、患者指導の支援条件としてパンフレットが必須となってくる。しかし、A病院ではパンフレットなどの指導教材もなく、指導経験のないまま、患者を受け持つことが整形外科専門病棟以外でも求められていた。その結果、患者指導の内容が、コルセットの装着中の注意点が一番多い指導内容となったと考えられる。これらのことから、指導支援環境および、指導教材の不足は患者教育の低下を招きかねないと考えられる。指導支援環境および指導教材の整備は患者教育、看護の質の向上につながると考えられる。またパンフレットをもとに、看護計画を連動させることによりさらに個別化された患者教育が行われることに繋がると考えられる。 〔結論〕患者の指導の質を向上させるために指導マニュアルや教材の作成など、患者指導の環境を整える必要がある。

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© 2010 一般社団法人 日本農村医学会
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