日本農村医学会学術総会抄録集
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ISSN-L : 1880-1730
第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2B-12
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ルーチン化された清潔ケアに対する患者の満足度調査と看護師の意識調査
-下肢骨関節術後患者の清潔習慣から清潔ケアについて考える-
村井 京子烏山 弘子諸星 浩美坪井 声示玉内 登志雄
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キーワード: 清潔ケア, 患者満足度
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抄録

<緒言>入院生活では、保清全般に対して自宅にいる時のように行えなくなるのが現状である。入院中に、より良質な清潔ケアを提供することを目的に、患者が看護師の行う清潔ケアをどのように受け止め、どの程度満足しているのか、また、看護師は病棟でルーチン化されて行われている清潔ケアを、どう思っているのかを知る為に、患者の満足度調査と看護師の意識調査を行った。 <方法>研究期間:2010年6月~9月 研究方法:調査期間内に手術目的で入院し、手術後ベッド上安静が3日以上続き、意志疎通が可能な患者30名及び病棟看護師21名に対して、アンケート調査(質問紙自記式無記名調査)を行う。 <結果>整形、リウマチ科病棟の患者は、清潔に気を使う、まあまあ気を使う人が29名であった。患者の満足度が一番高い清潔ケアは、朝、夕に行われる洗面ケアで、次に清拭、洗髪、足浴の順番であり、看護師では、洗髪、足浴、洗面ケア、清拭の順番に満足度が高かった。 <考察>患者の満足度が一番高い清潔ケアは洗面ケアであり、これは日常の生活行動に近いものであることで満足度が高かったと考えられる。一方看護師は、洗髪、足浴の看護必要度の高く、ケアの実施に対しての自己満足度、他者満足が見えることから高い満足度になったと思われる。患者の清潔ケアは手術後のADLの回復に合わせた自分でできる方法を指導したり、個々の清潔習慣をふまえた清潔ケアを計画、実施していくことが、患者の満足度や回復意欲をより高めることになるのではないかと考える。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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