日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2H-5
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当院の在宅ポータブルX線撮影について 第2報
菊池 昭夫新地 夏織石黒 沙織本多 暁石河 泰子小野 尚輝石川 雅也遊佐 直道新井原 泰隆大川 伸一
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キーワード: X線, ポータブル
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抄録

<はじめに>当院では、平成13年6月から在宅医療支援の一環として特別養護老人ホーム(以下特養)、患者様の住まい(以下個人宅)などに出張して携帯型X線撮影装置によるポータブルX線撮影(以下在宅ポータブル撮影)を開始した。
 第58回日本農村医学会でその経緯を報告したが、今回はその後の経過を報告する。
<対象、期間>対象は、周辺開業医等から当院に依頼された在宅ポータブル撮影とした。期間は、撮影人数で平成16年度から平成22年度、撮影件数については平成21年度から平成22年度、さらに撮影部位別を胸部、腹部、その他に分類した。また出張先を特養と特養以外の高齢者用施設(以下高齢者用施設)と個人宅に分け集計した。
<結果>撮影人数は、平成16年度から平成19年度 まで増加し、平成20年度から平成21年度は減少し、平成22年度は増加であった。
 撮影部位は、胸部が最も多く95%以上であった。
 出張先を平成21年度、22年度で比較したところ、平成22年度は特養で55件増加、高齢者用施設で63件増加、個人宅は13件減少であった。
<まとめ>今回の結果から、撮影人数で平成22年度が増加した要因は、特養と高齢者用施設での撮影人数にあると考えられる。しかし、特養は各施設での撮影人数が大きくは変化していなかったことから、高齢者用施設での撮影人数、中でも大規模施設からの依頼が増加したことが原因であったと考えられる。
 今後も地域医療連携の一環として在宅ポータブルを行うことで、地域へ貢献、周辺開業医からの紹介患者様の増加につながり、病院の信頼、評価へつながると考えられる。また業務の拡大を検討すると、大規模な高齢者用施設での撮影人数を増やしていくことで費用を抑えつつ業務拡大にもなると考えられる。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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