日本農村医学会学術総会抄録集
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ISSN-L : 1880-1730
第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1J-C-8
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当院におけるソフト食導入について
常用食種としての有用性
中島 里奈久留宮 康恵橋本 賢中本 加純杉田 かおり国友 晴洋伊藤 浩一
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キーワード: 栄養 
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抄録

当院におけるソフト食導入について‐常用食種としての有用性‐ 【目的】多くの施設において、摂食障害に対応すべくソフト食の導入が行われ、その有用性が報告されている。摂食障害には嚥下障害だけでなく、歯の欠落もしくは義歯の不適合、食べ物の認知、食事の味や見た目からくる食思不振など、原因が多岐にわたっている。このような摂食障害に対応する目的で、当院において新規の常用食種としてソフト食を導入し、1年が経過した。そこで、当院におけるソフト食の内容及び提供食数を評価し、導入の有用性を考察したので報告する。【方法】ソフト食は、粥、とろみ付き汁、主菜、副菜もしくは付け合わせを基本として、約1300kcalの献立として立案した。ソフト食の作成は専任調理師でなくても調理が可能となるように、作成方法の標準化を行い、開始時において14日のサイクルでの常用運用を平成22年4月1日より行った。食種の導入においてはNSTを中心とした試食会を開催し、食種選択を促すこととした。【結果と考察】業務の効率化と安定化のために、導入当初は専任調理師による調理とし、安定したソフト食提供をおこなった。その後専任調理師による調理技術の調理師、調理員間における共有と各種行事食などの新メニュー開発を行い、すべての調理師及び一部の調理員によるソフト食調理が可能となり、現在では20日サイクルでの運用を行っている。平成22年4月から平成23年3月におけるソフト食提供食数を集計した結果、1日平均食数は41食となり、一般治療食提供数の約8%であった。この食数割合は、当院における全粥食14%、軟菜食7.5%とほぼ同率であった。この結果から、ソフト食は患者の食事摂取形態として必要とされていることが予想され、常用食種として有用であると考えられた。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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