日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1J-D-16
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薬剤科における化学療法剤調製時の取り組みとその意義
管野 秀紀梶屋 敏宏秋田 浩子大塚 守紀足立 好三奥村 秀雄今枝 洋平伊藤 めぐみ永木 寛之山田 学
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キーワード: 化学療法剤, 薬剤, 調剤
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抄録

当病院では、化学療法剤を薬剤師が調製する。化学療法剤は投与量、投与間隔等の誤りが重大事故に繋がりかねず、特に慎重を要する。そこで薬剤科における化学療法剤調製時の取り組みについて紹介し、その意義を報告する。
化学療法を行うにあたり化学療法委員会で承認されたレジメンにしたがって化学療法剤が処方、調製される。レジメンが書かれた化学療法実施計画書が発行されると薬剤師は投与速度や投与間隔、患者の体表面積に基づく投与量が適切か等のチェックを行う。
当薬剤科では2009年4月頃より化学療法実施計画書、レジメン集、化学療法の記載がある処方箋より化学療法剤の投与量、投与速度が適切かチェックを行っている。また、過去における化学療法剤の投与量の履歴をチェックすることで、投与間隔が適切かチェックしている。投与量の増加、投与間隔の短縮が判明した場合には、医師に疑義照会の上、照会結果を化学療法実施計画書に記録している。
化学療法剤の払い出し時には、払い出された薬剤が、処方箋記載の化学療法剤、輸液の規格や個数と一致しているかチェックを行っている。以下のチェックは当薬剤科に所属する薬剤師全員が行うこととしている。
また、化学療法剤調製者が化学療法調整時に行う手技が一目でわかる様に処方箋に書き込みを行うこととしている。化学療法調製者は、アクセスRにより作成された当院薬剤科作成の記録システムに化学療法剤の調製内容を記録する。
化学療法調製時に当薬剤科が行ってきた以上の取り組みにより、化学療法剤調製時のミスを回避できた事例が複数存在する。本発表では、化学療法剤調製時のミスを回避できた事例も併せて報告し、化学療法剤調製時の取り組みの意義についても考察していく。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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