日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2J-B-12
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アルブミンとCRPの関係について
沖田 英人村元 雅之藤田 恭明上原 恵子榊原 香代子金原 真紀佐藤 由美子
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キーワード: アルブミン, 炎症反応
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抄録

アルブミンとCRPの関係について<BR>知多厚生病院NST<BR>沖田英人・村元雅之・藤田恭明・上原恵子・榊原香代子・金原真紀・佐藤由美子<BR>褥瘡治療の大きな壁は誤嚥性肺炎である。感染症でCRPが増加する際にはアルブミン(以下Alb)も低値を示しやすく、一般には感染により増加したストレス係数の分だけ投与エネルギーを増量する。逆に近年は、AlbとCRPは負の相関にあり、CRPの増加する感染時には宿命的に内因性エネルギーが産生されているため、overfeedingにならないよう外因性エネルギー投与量は控えるべき、との意見がある。そこで我々は、スキンケア委員会(褥瘡委員会)とNSTで半年以上観察した重度褥瘡患者11名を対象にAlb、CRP、投与エネルギー量を検討し相関性を調査した。AlbとCRPの相関関係数はほぼ全例で負となり、うち負の相関が得られたのは1例で、その相関係数は-0.86であった。また投与エネルギー量との相関は、ほぼ全例でAlbよりも希薄であった。<BR>今回の調査では、予想していたほどはAlbとCRPの逆相関は得られなかったが、感染や浸襲時には骨格筋が崩壊して肝はCRPを作るためAlb合成がおろそかとなり、この時外因性にエネルギーを投与しても蛋白異化抑制できず、従って感染の消退までエネルギー量を控える、とする考え方は妥当であると思われた。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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