日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 2J-E-1
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中央材料室における安全・感染対策を重視した業務改善への取り組み
廣瀬 みち子近藤 司湯原 里美
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キーワード: 一次洗浄, 消毒, 滅菌保証
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抄録

はじめに
 中央材料室(以下中材)は、病院感染防止の根管を支えている。当院では、平成16年から感染症委員会がマンパワー不足を抱える中材の業務改善対策を行ってきた。今回、マンパワー不足を抱えながらも安全・感染対策を重視した業務改善を目的に取り組んできたので報告する。
期間と経過
 期間:平成16年4月~平成23年3月
 職員:看護師2名 看護助手7名(短時間パート職員含む) 専門派遣業者2名
 経過:(1)物品単包化導入(カンシ立て・ガーゼカストの廃止)
    (2)一次消毒廃止
    (3)経管栄養ボトル洗浄の中央化
    (4)滅菌保証確認後の払い出し
    (5)洗濯の外注(おしぼり)
    (6)回収と配送の実施
    (7)一次洗浄廃止
    (8)汚染処理室の導入(時間制での受け入れ)
    (9)器材のディスポ化(ルンバ―ルセット廃止)
    (10)職員業務の固定化
    (11)専門の派遣業者の採用
結果
 医材配備を業者委託にしたことや器材管理の中央化により、病棟では、看護職員がケアに入れるようになり、中材では、医材作成時間が減少し業務改善が図れた。汚染処理室の導入にあたっては、マンパワーが少ない中での実施が厳しい現場にあったが、時間制での受け入れを取り入れ、職員の業務を固定化することによりスムーズな運営を行うことが出来た。
 感染症委員会と連携していたため、導入は、スムーズであった。
 一次消毒を廃止した結果、病院全体でフタラール製剤の使用を2年間で240本/年から84本/年に減少した。
 取り組みの期間は、滅菌物のリコール発生はない。
考察
 感染症委員会と連携したことにより、有用な情報が俊敏に伝わり短期間に業務改善が図れたと考える。また、部署での医療器材の一時洗浄・消毒を廃止したことにより、コストの削減や、安全な滅菌物の提供に繋がったとも考える。
 その他、マンパワーの少ない中で、専門派遣業者の採用は、業務負担軽減に繋がるが、災害時の対応などの問題を孕んでいる可能性はある。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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