日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1B-5
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脳神経外科病棟における緊急入院患者の家族への対応
アンケート調査をもとに患者家族への関わりを考える
中村 清美松村 鶴代
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抄録

脳神経外科病棟では、緊急入院が多く、その患者の家族の不安も大きい。しかし、現状では家族に十分な対応が出来ていないことの方が多い。そこで、脳神経外科緊急入院の患者家族の思いと、看護師の対応についての実態をアンケート調査し、結果を項目別、カテゴリー別に比較検討した。  項目別では、患者家族と看護師の満足度が低かったのは「患者さんの1日の状態、今後の流れについての説明」で、同じであった。カテゴリー別でも、患者家族と看護師の満足度が低かったのは「患者の情報に関するもの」「治療に関するもの」で、同じであった。 緊急入院時は、今の患者の状態がどうであるか、今どんな処置や治療を行っているのかなどの患者に関する情報をできるだけ早い時期に分かりやすく家族に伝えることが大切である。脳神経外科病棟は、意識障害や失語がある患者も多く、患者自身から家族は情報を得られにくく、そのため看護師からの情報を頼りにしている。 A病棟のスタッフは、若年層であり、更に脳神経外科の経験年数も少ないスタッフが多いため、知識不足、経験不足のために詳しく情報提供出来ていないことが分かった。今後は、緊急入院患者の家族への関わり方について勉強会など検討し、患者家族への対応能力を向上させていく必要がある。看護師が積極的に患者家族に関われば、患者家族の不安が軽減できると共に、看護師自身も患者家族に対しての関わりができたと実感することができると考えられる。  緊急入院患者の家族にとっての一番の関心事は患者の状態に関する情報であり、看護師からの分かりやすい情報提供や、家族と医師とのパイプ役を行うことが、家族の安心につながるということが明らかになった。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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