日本農村医学会学術総会抄録集
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第60回日本農村医学会学術総会
セッションID: 1B-9
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手術室におけるラテックスチーム立ち上げとその活動報告
松村 美穂
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抄録

【はじめに】最近、手術学会等でラテックスアレルギーが話題になっているが当院ではその対応策が出来ていない状態であった。ラテックスアレルギー患者の安全な環境を提供するために、平成22年度手術室内に「ラテックスチーム」を発足した。メンバーは麻酔科医師1名、看護師3名とした。今回、ラテックスチームの発足により、ラテックスマニュアル作成・非ラテックス専用ワゴンを作成し、ラテックスアレルギーについて勉強会を開催した。その活動を報告する。 【活動報告】 手術室で使用する医療材料のラテックス製品と非ラテックス製品の調査を行い、_丸1_ラテックス製品リスト表を作成_丸2_ラテックス製品の保管棚にラベルで明示_丸3_ラテックスフリーワゴンの作成_丸4_ラテックスマニュアル作成_丸5_手術室スタッフ対象に勉強会の実施を行った。ラテックスアレルギーに関する意識を統一する事で術前訪問時の情報収集の強化を図った。 【結果】1)医療物品の組成を調査する事でラテックス製品を明確にし、患者に安心して医療材料の使用ができた。2)勉強会を実施したことによりラテックスアレルギー患者の対応についてスタッフの意識が変わった。3)術前情報に基づいてラテックスアレルギー対応が可能になった。 【まとめ】チームを立ち上げたことにより、安全な医療材料の提供ができた。また、術前情報が充実したことにより、事前準備の段階でラテックス製品が排除でき安全に手術が行えた。 【今後の展望】手術室だけでの対策では、患者にとっては手術室外に出ると環境が整っておらず危険な状態である。このことから手術室外での対策としてラテックスチームが窓口となり、他部署と連携を行い、問診聴取の基盤を作り早期発見を基に医療従事者へ啓発していく必要があると考える。

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© 2011 一般社団法人 日本農村医学会
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