日本農芸化学会誌
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各地産菊芋(春季採集)の分析成績 附-菊芋イヌラーゼに就て
朝井 勇宣
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1938 年 14 巻 2 号 p. 198-209

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抄録
(1) 各地産菊芋36種(春季牧穫又は秋季収穫後翌春まで土申に貯藏せるもの)に就て水分,直接還元糖,全糖,イヌリン,窒素,灰分を定量した.
(2) 直接還元糖の含量は比較的多く1%内外若くはそれ以上のものが大多數を占めてゐた.
(3) 全糖の量は13~15%が大多數で21種を占め,中に16.37%を含むものが1種:あつた(朝鮮忠清北道産).
(4) 窒素は0.14~0.48%で0.2~0.4%のものが大多數を占め,次分は0.90~1.68%であつた.
(5) 産地別による成分の相違は著しくないが,概して朝鮮産のものに於て全糖の含量が多かった.
(6) 新鮮菊芋中にはその力に多少はあれ,何れも〓イヌラーゼ〓が活性に存することを認めた.
終りに本實驗費は日本學術振興會の援助によることを附記し,尚實験に助力せられたる雪浦哲夫,菊池進の兩君に感謝の意を表す.又菊芋を供給せられたる各地諸氏に甚大の謝意を表す.
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