日本農芸化学会誌
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動物皮の鞣性に関する化学的研究
(第6報)皮コラーゲンに対するタンニン酸の吸着性について
佐藤 泰
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1958 年 32 巻 12 号 p. 907-913

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抄録

皮コラーゲンとタンニン酸との吸着反応について数種の実験を行い,これまで行った著者の報告を基礎として考察した.
両者の吸着反応は皮コラーゲンの解離アミノ基と濃度増加によって段階的に増加するタンニン酸の酸性基或いは膠質性イオンとの間に起るイオン結合,及び皮コラーゲンのペプチドの如き非解離基とタンニン酸のOH基との非イオン性結合とからなるものと考えられる.
前者の結合は添加無機酸の影響,吸着タンニン酸の脱着,タンニン酸の濃度変化による溶液のpH変化と吸着量との関係,タンニン酸溶液の電気伝導度変化と吸着量との関係などによって示され,後者の結合は添加アルカリの影響,有機溶媒中における吸着,タンニン酸の吸着平衡濃度と吸着量との関係,タンニン酸吸着による結合水の変化,タンニン酸溶液の表面張力変化と吸着量の関係などによって示される.

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