日本農芸化学会誌
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放射状菌に関する研究
ジヒドロストレプトマイシン共存下に於けるビタミンB12の定量について
中沢 鴻一柴田 元雄山本 弘一東出 栄治神崎 俊彦
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1958 年 32 巻 5 号 p. 399-405

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抄録

(1) E. coli及びL. leich.を用いてStreptomyces humidusの醗酵液を試料として回収率,再現性を調べE. coliでは87.3~105%, 10.9%, L. leich.では86.5~103.0%,であった.
(2) E. coli及びL. leich.の抗性物質に対する影響を調べ, DSMではE. coliは検定培地1cc当り1γまでL. leich.では0.1~0.2γまでDSMが存在しても測定が可能である.尚B12は検定培地1cc当り0.05~0.5mγの範囲である.他の抗性物質に対してはE. coliで検定培地1cc当りテラマイシン,クロロマイセチン,カルボマイシン,オーレオマイシン,ネオマイシン,ペニシリン,ストレプトマイシンが2γまで存在しても定量に阻害は認められない.
(3) E. coliをDSMの入った保存培地に継代培養することにより,12代でDSM 1000γ/ccの耐性菌を育成し,そのB12に対するresponseが異状になってないことを確めた.
(4) この耐性菌を用いてB12の定量を行ったが,生育量が小さく満足な標準曲線を得られなかったので,検定培地の改良を行い, 6種のアミノ酸を添加した検定培地で定量することにより, E. coli/OでA培地で定量した値と比較し94~ll2%の範囲で定量出来る.

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