日本農芸化学会誌
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Brevibacteriumの生産する溶菌酵素に関する研究(第1報)
溶菌性物質の生成
高山 健一郎宇田川 清阿部 重雄
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1960 年 34 巻 8 号 p. 652-656

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抄録
Brevibacterium lyticum sp. nov.の生産する溶菌性物質の諸特性の検討を行い次の事実を明らかにした.
本溶菌性物質は酵素と見做され, 50~70%硫安飽和により塩析され,非透析性である.最適pH 7.0~7.5,最適温度30°にあり,温度に極めて不安定で60°, 5分処理で失活する.
Rhizopus属を除きかび,放線菌及び熱処理した酵母細胞を極めてよく溶解するが,細菌に対しては殆んど溶解能を示さない.
かび細胞膜はプロテアーゼ,アミラーゼ,リゾチーム等の酵素によっては溶解されないが,本酵素試料によりアミノ酸,ヘキソーズ,ヘキソサミンの溶出を伴い溶解される.
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© 公益社団法人 日本農芸化学会
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