日本農芸化学会誌
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ペプチッドとLeuc. mesenteroides p-60の増殖について
相田 浩梶原 端之朝井 勇宣
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1961 年 35 巻 3 号 p. 292-297

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抄録
(1) Leuc. mesentersides p-60を用いグリシンとglycyl peptidesとのresponseの比較検討を行なった結果, glycylglycine, DL-alanylglycine, L-leucylglycylglycine, glycyl-L-leucineはグリシンに比して常に高いresponseを示したが, D-leucylglycine,馬尿酸は殆んど同じか僅かに低いresponseを示した.これに反してグルタチオン,グリシンアミド, hippurylglycine, acetylglycine, DL-phenylalanylglycine等はグリシンより著しくresponseが低いか,殆んどresponseを示さなかった.
(2) 本菌のペプチダーゼ活性については,休止菌体を作用させて検討した結果, hippurylglycine, phenylalanylglycineについてはグリシンのスポットが認められなかったが,他のglycylglycine, L-leucylglycine, DL-alanylglycine, glycyl-L-leucine, D-leucylglycine,グルタチオンについてはペプチダーゼ活性が認められた.
(3) ペプチッドとその構成アミノ酸の混液とのresponseの比較検討を行なった結果, glycylglycine, glycyl-L-leucine, D-leucylglycine, L-leucylglycylglycineは何れも低濃度ではその構成アミノ酸の混液より高いresponseを示したが,高濃度になるにつれてアミノ酸混液の方がペプチッドより高いresponseを示した.
(4) 拮抗アミノ酸のペプチッドへの影響について検討を加えた結果,基本培地にL一セリンを通常の10倍量添加し,培養時間を18時間に短縮した時グリシン濃度20γ迄はresponseを示さないが,ペプチッドはこれらの因子に影響されることなくresponseを示した.
(5) Glycyl peptidesがその構成アミノ酸より高いresponseを示す現象について考察を行なった.
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