日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
有機水銀剤の経時安定性に関する研究(第1報)
PMA粉剤の経時変化
竹原 啓
著者情報
ジャーナル フリー

1965 年 39 巻 11 号 p. 442-447

詳細
抄録

(1) PMA粉剤の経時変化を検討する目的で,有機水銀化合物として定量するジチゾン比色法を検討し, 0.6N-塩酸抽出による定量法を設定した.
(2)市販増量剤7種を選定し, PMA粉剤を試製して40°加温虐待試験を実施し,全水銀,有機水銀の経時変化について検討した.
(3)全水銀の経時変化はほとんど認められないが,有機水銀の経時変化は顕著であり,増量剤の種類により層別できる.すなわちジークライト,クレーなどは比較的安定であり,タルク,ホワイトカーボンなどは変化が激しい.
(4)牛脂脂肪酸の添加で分解抑制効果は認められない.
(6)経時変化の要因として,増量剤の吸着力,化学的活性(硫化物など)による分解,水分,アルカリ性による加水分解などが推定される.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top