1968 年 42 巻 4 号 p. 197-206
ツノロウムシのトリグリセリドは飽和ダィプが圧倒的で,86.7モル%の高率を占めた.それはカプリン酸やラウリン酸からなるグリセリドで,トリカプリン,ラウロジカプリン,カプロジラウリンなどが主であった.不飽和タイプはモノ不飽和グリセリドが比較的多く7.9モル%を占めたが,ジ,トリ,テトラ不飽和トリグリセリドも少量存在した.これらを構成するオレイン酸,リノール酸は,グリセリドの2-位置よりも1,3-位置に多く分布した.
本研究に際し,有益なご助言と御校閲を賜った京都府立大学教授野田万次郎先生に深く感謝いたします.