日本農芸化学会誌
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種子の成熟過程における遊離糖含有量の変化
えんどう,そらまめ,だいず,とうもろこし種子について
松下 アヤコ
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1968 年 42 巻 7 号 p. 383-387

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抄録

えんどう,そらまめ,だいず,とうもろこしの種子成熟過程中の遊離糖含有量の変化状況をpaper chromatogramの切りとり,分割溶出およびmicro-Bertrand法を応用して定量を行なった.sucrose, glucoseは種子の成熟期間中を通して見出しうるが,raffinose, stachyoseおよびverbascoseらしいスポットは種子成熟の後期になると出現する.試料豆種子中のsucrose,とうもろこし種子中のglucose含有量は種子成熟の各時期を通して常に他の遊離糖の最高位含量を示す.試料豆種子形成初期ではsucroseが主要な糖であり,種子成熟の最後期ではsucroseとstachyoseが主要な糖になる.とうもろこし種子中のglucose含量は種子の未熟時に最高量を示し,成熟の最後期に最低13を示す.試料豆種子,とうもろこし種子中のraffinose,stachyoseの含量は種子の成熟に伴って増量する.

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