日本農芸化学会誌
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非酵素的褐変反応生成物の抗酸化性に関する研究(第3報)
アンモニアとグルコースによる褐変反応液の分画および得られた各画分の抗酸化性について
桐ケ谷 紀昌加藤 博通藤巻 正生
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1971 年 45 巻 6 号 p. 292-298

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抄録

3Mのアンモニアと1MのグルコースをpH 9以上に維持しつつ, 100°Cに7時間反応させて得られる褐変反応液を透析したのち,各種のクロマトグラフィーにより分画し,得られた各画分の抗酸化性を比較した.
まず透析外液をDEAEセルロースのカラムに流し,そのまま溶出されてくる画分をセルロース粉末の薄層クロマトグラフィーで分別すると,4個の明瞭な画分に分離した.そのうちの主要画分は抗酸化性が最も強かった.この画分をSephadex G-15のカラムで分画すると, 2つのピークが認められ,そのうちの高分子画分は電気泳動的に単一と思われる挙動を示した.しかし赤外吸収スペクトルは通常のメラノイジンのそれと同様であり,やはり重合物の混合物であると考えられた.一般に,着色区分全体にわたって抗酸化性が認められたが,同一着色度(E490)で比較した場合,低分子画分のほうが高分子画分よりも抗酸化性は強かった.
なお,褐変反応生成物の抗酸化性は, DPPHとの反応性(水素または電子供与性)から期待されるよりははるかに強く,他の抗酸化機構によって発現すると考えられた.

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