1974 年 48 巻 1 号 p. 1-5
(1)蚊取線香中のフラン環をもつピレスロイドは,溶液中で基剤,特にタブ粉末成分の影響により分解現参象を生ずるので,これらの薬剤を定量するには安定剤を用いる必要がある.
(2) 反応関連物質は,基質中に存在するフェオフィチンであり,クロロフィルにおいてもピレスロイドの分解促進効果を認めた.反応機構に関しては,活性物中のポルフィン環の影響が考えられるが明らかでない.
(3) 蚊取線香中のピレスロイドに対するフェオフィチンの影響はほとんど認められず,その分解要因は空気中の酸素によると考えられた.