日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
s-Triazine系除草剤および関連化合物のヒナに対する発盲性について
松原 弘道小原 嘉彦久葉 昇
著者情報
ジャーナル フリー

1975 年 49 巻 9 号 p. 439-443

詳細
抄録

19種のs-triazine系除草剤および関連化合物を3~5%に添加した飼料をもって, Warren-Sex-Sal-Link-F系統の雄ヒナを4~10日飼育し,盲目症の発現の有無ならびにその飼育期間中における急性毒性を検した. s-triazine環の2位に水酸基あるいはthiol基を有する化合物では, XおよびXII以外のものは著しい経口急性毒性を示さなかったが,その他の置換基を有する化合物は,かなりの毒性を示した.
またIIを除く全部の化合物は,ヒナに対して盲目症の発現を見なかった.これは,供試化合物のヒナ体内における置換塩素の加水分解, N-monoalkyl, N, N-dialkylあるいはO-methyl基のdesalkylationおよびthiol, thiomethylあるいはアミノ基のhydroxylationなどによるIIへの代謝が,おそらく盲目症を呈するレベルに達しなかったためと想像される.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本農芸化学会
次の記事
feedback
Top