日本農芸化学会誌
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米糠のグリセロ糖脂質の構成分と分子種
宮沢 陽夫藤野 安彦
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1978 年 52 巻 1 号 p. 37-43

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抄録

(1) 米糠のグリセロ糖脂質としてモノグリコシルジグリセリド(MGD),ジグリコシルジグリセリド(DGD),トリグリコシルジグリセリド(TGD)およびスルホキノボシルジグリセリド(SQD)を単離し,これらの構成分と分子種を分析し検討した.
(2) 米糠のグリセロ糖脂質の構成糖はガラクトースとグルコースで,その含量比はMGD, DGDおよびTGDでそれぞれ92:8, 85:15および63:37であった.
(3) 米糠のグリセロ糖脂質の主要構成脂肪酸はパルミチン酸オレイン酸,リノール酸およびリノレン酸で,MGD, DGDおよびTGDではリノール酸が,SQDではパルミチン酸が最も多く含まれていた.
(4) 米糠のグリセロ糖脂質を構成する脂肪酸の分子内位置分布は,MGDとDGDではC-2に不飽和酸が多く,SQDでは逆にC-1に不飽和酸が多かった.
(5) 米糠のグリセロ糖脂質を構成するジグリセリド部分の分子種としては,MGD, DGDおよびSQDともに12種のものが検出された.前2者の主要分子種は1-18:2-2-18:2, 1-16:0-2-18:2および1-16:0-2-18:3であり, SQDのそれは1-16:0-2-16:0, 1-18:2-2-16:0および1-18:1-2-16:0であった.

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