日本農芸化学会誌
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生体物質による海水ウランの吸着
坂口 孝司中島 暉堀越 孝雄
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1979 年 53 巻 6 号 p. 211-217

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抄録

種々の天然物,生体物質による海水ウランの吸着について検討した.その結果,
(1) Chlorella乾燥藻体,柑橘類果実皮などの天然物は海水中のウランをかなり高濃度に吸着捕集できることがわかった.
(2) キチン,キトサン,セルロース,デンプンなどの天然高分子化合物は海水ウランに対して吸着能を示さなかったが,リシ酸化キチン,リン酸化セルロースなどのリン酸化多糖,ペクチン酸,アルギン酸などの酸性多糖は海水中のウランをよく吸着捕集できることがわかった.
(3) リン酸化キチンによる海水ウランの吸着は短時間に行われることが明らかになった.
(4) リン酸化キトサンはウランを添加しない天然海水から, 2.6μg/gのウランを吸着できることがわかった.

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© 公益社団法人 日本農芸化学会
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