1985 年 59 巻 1 号 p. 25-30
市販の大豆サポニンを用いて調製した泡沫とエマルションの物理化学的性質について検討した.
サポニン水溶液の起泡性は,サポニン濃度0.1%まで急激に増加し,それ以上の濃度では一定となった.泡沫安定性は,濃度の増加とともに増大した.
サポニン水溶液の表面張力は,濃度0.01%まで急激に低下し,それ以上の濃度では一定となった.
水-ケロシン(1:1)のエマルションは,O/W型であった.
エマルションを遠心分離した場合,エマルション層と油層の間にゼリ-状の層が生した.静的法および動的法による安定性は,どちらも,サポニン濃度の増加とともに増大し,平均粒径は小さくなった.
サポニン水溶液およびエマルションの電導度は,サポニン濃度の増加とともに,直線的に増大した.また,エマルションの電導度は,内部相(ケロシン)濃度の増加とともに直線的に減少した.