1997 年 71 巻 2 号 p. 137-143
1.液化液による醸造法で得られた酒粕は,タンパク質含量が高く,米よりアミノ酸スコアが高かった.カゼインと同タンパク量の酒粕を用いた飼料でラットを飼育したところカゼインと同等の成長を示し,酒粕が良いタンパク資源であることが判明した.
2.酒粕をタンパク源とした高コレステロール飼料でラットを飼育すると,カゼインに比べて血清及び肝臓中のコレステロールの上昇が著しく抑制された.
3.酒粕摂取により胆汁酸やコレステロールの排泄量が増加する傾向が見られ,脂質の排泄量は顕著に増加した.
4.酒粕をペプシンで分解すると脂質代謝改善効果がカゼインと比較してさらに高まった.