日本農芸化学会誌
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テトラゾリウム塩XTTを用いた新規SOD様活性測定法の嗜好飲料への適用
島村 智子前田 進受田 浩之沢村 正義
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1998 年 72 巻 10 号 p. 1181-1186

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抄録

従来ESR法によって測定が行われてきた食品のSOD様活性測定に,新規SOD活性測定法であるXTT法の適用の可能性を検討した.市販の玉露,赤ワイン,インスタントコーヒー,ココアを試料として測定を試みたところ以下のことが判明した. (1)食品中にはXTTを直接的に還元する物質が存在すること, (2)食品中にはXODの作用を妨害する物質が存在する可能性があること. (1)は試料の希釈を行うことで影響を無視しうることが可能であった. (2)についてはHPLCにより尿酸生成量の分析を行ったところ,特にXODの作用を阻害する物質は存在していないことが判明した.
各試料をpH 8.0~10.2の範囲で測定を行ったところ,すべての食品で50%阻害が認められ,各食品のSOD様活性を求めることができた.さらに,従来のESR法による測定において活性が高いとされた玉露,インスタントコーヒーには本XTT法においても高い活性が認められ,活性が低いとされたココアには,今回の測定においても低い活性が得られた.
以上の結果から,本XTT法は食品のSOD様活性測定法として実用的に利用可能であると考えられた.

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