抄録
オカラ納豆中の発酵過程におけるビタミンK生産量をHPLC法で測定した.その結果,生産される主要なビタミンKはフィロキノン(K1)とかメナキノン-4(MK-4)ではなく,主にメナキノン-7(MK-7)であり,しかもその60%以上は水溶性タイプであった.
7種類の納豆菌を用いてこの水溶性ビタミンK(MK-7)量を比較した結果,中国産の納豆から分離した菌株(雲南SL-001)によるものが最高値(約36.6μg/gオカラ納豆(湿重量))を示し,現在わが国の納豆生産に使用されている成瀬菌,朝日菌,高橋菌,宮城野菌,そして医薬用に使用されている日東菌,目黒菌による生産量(1.9~14.2μg/gオカラ納豆(湿重量))はそれよりも少ないことがわかった.
水溶性ビタミンK(1000μg MK-7量)を健常成人に経口投与した結果,血中MK-7濃度は最高約40倍にまで高まり,またその持続時間は同量の精製したMK-7に比べてはるかに長いこと,また,この条件下ではTEG,PT,およびAPTTでみた血液凝固-線溶系に影響はないことを確認した.