農村研究
Online ISSN : 2436-9047
Print ISSN : 0388-8533
論文
キャトルブリーディングステーション(CBS)等による畜産サポート事業が地域畜産に及ぼす効果と今後の展開方向に関する研究
堀田 和彦
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2021 年 2021 巻 132 号 p. 1-9

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抄録

本研究の目的は,CBS等による畜産サポート事業が地域畜産に及ぼす効果と今後の展開方向を検討することにあった。本稿ではまず,はじめに全国におけるCBS等施設の設置状況を整理するとともに,その中で代表的な施設を選定した。さらに各地域のCBS等の概要,特徴を整理するとともに,地域畜産への効果を検討し,CBS等による畜産サポート事業の課題並びに今後CBS等を設置発展させていく場合の検討項目を整理した。

分析の結果,CBS等には共通の課題として農家の変容によるサポート事業多様化への対応の難しさ,子牛の哺育段階からの預託に伴うリスクの増大,地域畜産の現状維持と成長のための資源配分の難しさがあることが明らかになった。また,今後,CBS等を設置していく場合,上記の課題を踏まえ,既存の資源を活用しながら,地域畜産の短期ならびに中長期的視点にたった施設設計,子牛の哺育技術の人材,施設両面での充実,地域畜産発展のため,市町村や県といった自治体の範囲を超えた施設設計の視点も重要である点を指摘した。

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© 2021 食料・農業・農村経済学会
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